執筆者
さの内科循環器クリニック
院長 佐野 浩之
経歴
- 2008年川崎医科大学 医学部 卒業
- 2008年川崎医科大学附属病院 臨床研修医
- 2010年六甲アイランド甲南病院 循環器内科 勤務
- 2013年神戸大学医学部附属病院 循環器内科 勤務
神戸大学大学院医学研究科(博士課程) - 2017年愛仁会 高槻病院 循環器内科 勤務
- 2018年愛仁会 高槻病院 循環器内科 医長
- 2025年4月さの内科循環器クリニック 開業
健康診断の心電図で異常を指摘されると、不安に感じる方は少なくありません。神戸六甲道のさの内科循環器クリニックでは、循環器専門医が結果を丁寧に読み解き、必要な検査や対応について分かりやすくご説明いたします。気になる結果がある方は、お気軽にご相談ください。
心電図検査とは、心臓の電気的な活動を体の表面から記録する検査です。健診でおこなわわれる12誘導心電図では、心臓をさまざまな方向から観察し、不整脈や虚血性心疾患のサインを確認します。ただし、心電図だけですべての心臓病が分かるわけではなく、また異常所見があっても必ず病気があるとは限りません。
心電図は主に、不整脈と虚血性心疾患の評価に用いられます。不整脈では脈の乱れや速さの異常を、虚血性心疾患では心筋への血流不足による電気的変化を捉えます。一方で、弁膜症などの構造的な異常は進行しないと変化が出ないこともあり、必要に応じて心エコーなどの検査を組み合わせて評価します。
健診でよく指摘される所見と、その意味の目安は以下の通りです。
| 所見 | 考えられる状態 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| ST低下 | 心筋虚血、負荷、心肥大など | 症状があれば受診 |
| ST上昇 | 狭心症、心筋梗塞、ブルガダ症候群など | 要精査(特にブルガダ疑い) |
| 異常Q波 | 過去の心筋梗塞など | 一度は精査を推奨 |
| 左室高電位・肥大 | 高血圧による心肥大など | 血圧管理と評価が重要 |
| 心筋虚血・障害疑い | 虚血性心疾患の可能性 | 症状やリスクがあれば精査 |
| 期外収縮 | 比較的よくみられる不整脈 | 多発・症状ありは受診 |
| 頻脈・徐脈 | 不整脈、体質、薬剤など | 症状があれば要評価 |
| 完全左脚ブロック | 心疾患の合併が多い | 精密検査推奨 |
| 房室ブロック(2〜3度) | 電気伝導の異常 | 治療が必要な場合あり |
| ブルガダ症候群疑い | 突然死のリスクあり | 必ず精密検査 |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
多くの場合は問題ないこともありますが、重要な疾患が隠れている可能性もあるため、循環器内科での確認が安心につながります。
健診で「異常」と判定されても、実際には問題ないケースも少なくありません。一方で、見逃してはいけない異常も存在します。大切なのは、「心配しすぎず、放置もしない」ことです。適切に評価を受けることで、安心につながります。
心電図の所見に加えて、次のような症状がある場合はお早めの受診が必要です。
特に、脈拍が1分間に50回以下の徐脈で症状がある場合や、100回以上の頻脈で胸痛や息切れを伴う場合は注意が必要です。
健診で異常なしと言われていても、症状があれば受診をおすすめします。
心電図異常を指摘された場合、必要に応じて追加検査をおこないます。
ホルター心電図や運動負荷心電図、心臓の構造や機能を調べるためには心エコー検査が有用です。
冠動脈CTや心臓カテーテル検査などをおこなうことがあります。必要な検査を院内でおこない、より専門的な検査や治療が必要な場合は、連携している高次医療機関へ速やかにご紹介いたします。
心疾患の予防には、日常生活の見直しが重要です。適度な運動、十分な睡眠、バランスのよい食事、禁煙、節酒を心がけましょう。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの管理も重要です。定期的な健診を受け、自分の状態を把握しておくことが早期発見につながります。
健診の心電図結果は専門用語が多く、内容が分かりにくいため、不安を感じる方も少なくありません。当院では所見の意味を丁寧にご説明し、必要な検査や今後の対応について分かりやすくご案内しています。
心電図検査は異常の可能性がある方を見つけるためのスクリーニング検査であり、精密検査の結果「異常なし」や「経過観察」となることも多くあります。しかしその中には、治療や継続的なフォローが必要なケースも含まれています。
健診結果を自己判断で放置せず、結果をお持ちのうえ、お早めにご相談ください。
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